不動産業界のこと①

よく「不動産業」と一括りにされますが、中身は大きく3つのカテゴリーに分けられます。
 1.宅地建物取引業(宅建業)法に基く媒介(いわゆる仲介)
 2.大家さん・地主さん(貸主)
 3.不動産管理(管理会社)
で、中身はそれぞれ別物です。
「1.宅建業法に基く媒介(仲介)」については、専門性が異なるため更に売買仲介と賃貸仲介に分かれますが、これのみが宅地建物取引業の免許が必要あって「2.大家さん・地主さん」「3.不動産管理」に資格は要らないので誰でもできてしまいます。
正規の宅建業免許を持つ身としては、一緒にされると「何だかなあ。我々はちゃんとしてるのに...。」とモヤモヤすることもあります。

さて、大家さんが替わって「いきなり家賃の値上げ通知が来た」とか、賃貸マンションやアパートから退去する際に「原状回復費用でぼったくられそう。高額だ」といったトラブルを聞きますが、前述のとおり大家(地主)業や管理業は宅建業では無いので残念ながら我々一般の不動産業者や宅建協会などの業界団体では何とも手の出しようがありません。
その理由は、法律で「弁護士または司法書士など法律の専門家でない者が報酬を受ける目的で仲裁や値下げ交渉などの法律行為をやってはいけない」と定められているためです。
従って、もしトラブルが表面化してしまったら、相談すべきは不動産屋でなく弁護士や司法書士または公的な紛争相談機関ですので覚えておくと良いです。

そして、不動産のトラブルは、その多くが「言った・言わない」です。我々宅建業者の役割の1つは、そうならないように経緯や合意の書面を作ることです。
なので、書面作成能力は宅建業の重要なスキルの1つであり、不動産の仲介を依頼する場合は書面作成能力に劣る宅建業者は避ける方が無難と言えます。
どの程度なのか?は、質問をぶつけてみると良いです。それに対するメール等の回答や口頭の受け答えで恐らく見抜けるでしょう。